クレアチンの概要

クレアチン:天然のエネルギー源

クレアチンは人間の体内にある天然物質です。生命に欠かせない物質で、平均的な成人の体内には80〜130グラムのクレアチンが存在しています。

クレアチンは、骨格筋、心臓、脳、その他の臓器など、人体の数兆個の細胞一つひとつにエネルギーを送る、生命維持に欠かせない役割を果たしています。また、エネルギーを運搬する以外にも、科学者にまだ完全に解明されていないその他の効能があることはほぼ間違いありません。多くの研究者は、脳などの臓器の機能や全般的な健康にクレアチンが重要であると確信しています。

科学者は200年近くクレアチンを研究してきました。そしてクレアチンを「含窒素有機酸」に分類し、化学式はC4H9N3O2としています。生物学的には、クレアチンは小さく、比較的単純な構造の分子です。

大半の人は、一日に必要なクレアチンの約半分を肉と魚から摂取しています。クレアチンを含む食材は実質的にこれだけです。残りは体内で作られます。

バランスの取れた食生活を送っていない人、特にベジタリアンや完全菜食主義者はクレアチンの量が正常値より低い可能性があります。

栄養補助食品としてのクレアチンは、身体能力を高めることが科学的に証明されています。この役割において、クレアチンは世界中の保健規制機関やスポーツ庁によって認められています。 クレアチンは体に吸収されやすく、適正に製造されたものを推奨量だけ服用する限り無害であることがわかっています。

クレアチンから生まれる筋力

体内に貯蔵されているクレアチンの約90%は骨格筋に存在します。骨格筋は私たちが通常考えるようなタイプの筋肉ではありません。生きている細胞はすべてエネルギーを必要としています。特に筋細胞は動くときに大量のエネルギーを消費します。 クレアチンはこのエネルギーの供給を助けます。

筋細胞がエネルギーを得る方法は数種類あります。例えば、長距離走など、長時間の運動中、体はエネルギーを生成するために、まず貯蔵されているグリコーゲン(炭水化物の一形態)を使い、その次に脂肪を燃焼します。これらのプロセスは空気中の酸素に依存するため、「有酸素」運動と呼ばれています。

その一方、短距離走など、短時間の集中的な運動では、筋肉は大量のエネルギーを直ちに必要とします。 そのため筋肉は、この「無酸素」運動の開始時に、すぐに利用できるエネルギー源に頼らなければなりません。 こうした貯蔵エネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)およびクレアチンリン酸(PCr)として知られる化学物質の形をとっています。

ATPとPCrは、グルコース(解糖)、グリコーゲン(グリコゲノリシス)、脂肪(リポリーシス、脂肪酸酸化)を代謝して、もっとエネルギーが生成されるまで、互いに協力して直ちに必要なエネルギーを提供し、エネルギーが途切れないようにします。

ATP、ADP、クレアチン

ATP(アデノシン三リン酸)は、すべての生物学的プロセスのエネルギー通貨であり、クレアチンによってバックアップされています。

ATPの分子は、ホスホリル基と呼ばれる3つの化学基を持ち、それらは中心構造に付着しています。ATPはホスホリル基を1つ失うと、アデノシン二リン酸(ADP)となり、エネルギーを放出して細胞にパワーを与えます。

体は最終的には食品からのエネルギーを使ってADPをATPに戻しますが、これには時間がかかります。筋細胞は2〜3秒間の高負荷運動が可能なATPしか貯蔵できません。 もっと持続的に運動するには、ATPをもっと速く再生する必要があります。これに役立つのがクレアチンです。

筋肉が休んでいるとき、クレアチンの約3分の2はクレアチンリン酸(PCr)というエネルギーを蓄えた形態で存在しています。 各PCr分子は、クレアチン分子にホスホリル基が1つ追加されている状態です。 激しい運動の前に、筋肉にATPが足りないと、クレアチンキナーゼ(CK)と呼ばれる酵素がPCr分子からホスホリル基を外してADP分子に送り、ADPをATPに戻します。CKは自然界で最も速く作用する酵素なので、ATPの再生プロセスが非常に効率的に行われ、数秒間で高いATP量を維持することができます。PCr貯蔵量の約80%が消費されるまで、ATP量の低下は始まりません。

このため、PCrが供給不足になるまで、筋肉は無酸素運動を続けられるのです。 筋肉を再び休ませると、ATPを再生するためにPCrから分離されたホスホリル基が再びクレアチンに戻り、クレアチンが PCrに戻ります。PCrの「貯蔵」が以前のレベルに戻ると、次の運動中にATPを供給できる状態になります。

食品から摂れるクレアチン

クレアチンは体内でゆっくりと時間をかけて分解されます(代謝のセクションを参照)。 この自然に失われる分を補うため、平均的な成人の場合、1日2〜3グラム前後のクレアチンを摂る必要があります。

人間の筋肉と同様に、肉や魚にはクレアチンが含まれています。 一般にバランスの取れた食生活を送っている人は、クレアチン必要量の半分程度を直接こうした食品から摂取し、残りを体内で生成しています(合成のセクションを参照)。

以下の表は、様々な未加熱状態の食品に含まれるクレアチンの平均量を示しています。
様々な未加熱状態食品のクレアチン含有量(1kg当たりのグラム数)      

  • 肉 3 - 7
  • 魚 3 - 7
  • 牛乳 0.1
  • 野菜、穀物、豆類 0

魚や肉を加熱すると、クレアチンの一部が壊れます。

バランスの取れた食生活を送っていない人は、体内のクレアチンの量が低い可能性があります。 特に食品から直接クレアチンをほとんど、または全く摂取できないベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)がそうです。 そのため、食生活の中で十分にクレアチンを摂取していない人は、栄養補助食品としてクレアチンを余分に補給する必要があるかもしれません。 これは特に、十分肉や魚を食べていないと感じる方、筋肉増強のためにクレアチンが多めに必要な方、トレーニング法の一環としてより早く、より完全に回復したい方に当てはまります。

体がクレアチンを作るしくみ

体はグリシン、アルギニン、メチオニンという食品由来のアミノ酸からクレアチンを合成します。

合成はまず腎臓と膵臓で始まります。アルギニンとグリシンという2種類のアミノ酸がAGATと呼ばれる酵素によって結合され、グアニジン・酢酸(GA)を作ります。 その後、GAは肝臓に取り込まれ、GAMTという別の酵素とメチオニンという別のアミノ酸の助けを借りて、クレアチンに変わります。さらにクレアチンは肝臓から骨格筋、心臓、脳といった目的の臓器に運ばれて取り込まれます。 このプロセスには、クレアチンを細胞に移動させる特定のクレアチン輸送体(CrT)が必要です。

20〜30代、体重70kgの標準的な男性の場合、1日当たり約1グラムのクレアチンを合成します。この値は年齢と共に低下します。 女性の場合、この数字は男性よりもやや低くなります。

体内でクレアチンを合成するために必要な3種類の重要アミノ酸のうち、グリシンは通常十分にあります。 しかしながら、アルギニン、そして特にメチオニンは不足気味です。 クレアチン1グラムの合成には、平均的な人が一日に摂取するメチオニンのほぼ40%が必要です。その結果、メチオニン源が少ない食生活を送っている人は、クレアチンの量が少ない可能性があります。

バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)とクレアチンのバランス

平均的な成人の場合、一般に体内には80〜130グラムのクレアチンとクレアチンリン酸があり、そのほとんどは筋肉に蓄えられています。このクレアチンがPCrの形で細胞内へのエネルギーのバッファリングと運搬のために使用されるときに、その大半はクレアチンリン酸への連続的な転換とクレアチンへの再転換を通してリサイクルされます。

ただし、一日およそ2〜3グラムのクレアチンがクレアチニンという物質に分解されるため、その分がこの貯蔵量から失われることになります。喪失分は食品由来のクレアチン(野菜以外の食品から1日当たりおよそ1〜2グラム)と体内で合成されるクレアチン(1日当たりおよそ1グラム)で補われます。

クレアチンはバイオアベイラビリティが高く、栄養補助食品としてクレアチン・モノハイドレートを摂取する場合、服用量に応じて95%以上が血中に取り込まれることが測定により確認されています。 血中のクレアチンの量は、一般にクレアチンが胃に入ってから約1〜2時間でピークに達します。

クレアチンの少ない食生活を送っている人は、概して体内のクレアチン量が少ないことが証明されています。 その一方で、クレアチンをサプリメントとして摂取している人は、全般的にクレアチンの量が高くなっています。補給されたクレアチンはやがて組織内のクレアチンの量を最大限まで高めます。クレアチン量がこの上限を超えることはありません。そのため、長期間に渡ってクレアチンを大量に服用する意味はありません。

体内に貯蔵されている実際のクレアチン量は、自然に分解されるクレアチンと、体内で合成されるクレアチンおよび食品から吸収されるクレアチンのバランスを反映しています。 しかしながら、クレアチンの貯蔵量は、毎日摂取および喪失する平均量と比べ大きいため、クレアチン摂取量が変わってもその変化は緩やかです。クレアチンをサプリメントとして一日当たりの推奨量3〜5グラム摂取すると、体内のクレアチン量は3〜4週間で最大値に達します。

代謝、クレアチンとクレアチニン

クレアチンは自然にクレアチニンという物質に分解され、常に体内から一定量が失われています。クレアチニンは細胞から血中に入り、腎臓に取り込まれて、尿として排出されます。 科学者の推定によると、平均的な成人の場合、毎日クレアチン貯蔵量からこの経路で失われるクレアチンの量はおよそ1〜2%です。 喪失分は、食品から吸収されたクレアチンと体内で合成されたクレアチンで補われます。

体が必要とする以上のクレアチンを摂取すると、余分なものは尿として排出されます。ただし、体内のクレアチン量が高いということは、分解されるクレアチニンの量も増えることを意味します。 クレアチンからクレアチニンに分解される量が増えると、血中および尿中のクレアチニン濃度もある程度上がります。 同じ理由から、筋肉量が多い人は、筋肉量が少ない人と比べ、クレアチニンの量が高くなる可能性があります。 これは心配には及びません。なぜなら、クレアチニン値が高いと言っても正常範囲内であり、クレアチニンの有害性を示す事例はありません。

医師は腎臓病を発見する定期検査として血中クレアチニン値を測定するので、腎機能検査を受けるとき、サプリメントとしてクレアチンを摂取している人はそのことを医師に言う必要があるでしょう。 ただサプリメントとしてクレアチンを摂取した結果、クレアチニン値が上がっても、通常は問題ありません。すでに腎臓病になっている方や、腎臓病になる恐れがある方(例えば、糖尿病や高血圧の方)は、安全を期して、医師と相談してから、クレアチンのサプリメントを摂取してください。

スポーツにおけるクレアチン

クレアチンは、細胞内にクレアチンリン酸の形で存在し、エネルギーの運搬を助けます。スポーツをする人に栄養補助食品として自然に選ばれています。 クレアチンの摂取量を増やすと、筋肉内に蓄えられるクレアチンリン酸の量が増加します。 これにより、トレーニングと競技の両方でパフォーマンスが向上し、回復が促されます。

ハードなトレーニングをして、筋肉量増加を早めてくれるクレアチンは、ジムで人気です。 トレーニングをせず、クレアチンを摂取するだけでは筋肉量は増えません。 これはステロイドなどの禁止薬物の作用とは大きく異なる点です。

1990年代以降、多くのアスリートと科学者が、クレアチンは運動耐性、筋力、除脂肪量に最も効果的な栄養サプリメントと考えるようになりました。筋力トレーニングの場合、クレアチンの補給は、筋力と反復回数の両方を上げる一貫した効果を示しています。

トレーニングでのこうした利点は、瞬発的に強力な筋力を必要とするスポーツに通じます。 自転車競技、短距離走、水泳、サッカーなど、様々な分野のスポーツ選手とアスリートが長年に渡ってクレアチンを摂取し、すばらしい結果を残しています。

体内の自然な形のクレアチン、クレアチン・モノハイドレートは実績のある、効果的で安全な合法成分として定着しています。 例えば欧州食品安全機関(EFSA)は、短期的な高強度の反復運動中に、クレアチンが身体能力を高めることに同意しています。これは現在、栄養および健康強調表示に対するEC規則 の13.1条に記載されています。 また、クレアチンが激しい運動からの回復を助けることを示す証拠もあります。

クレアチンの幅広い役割

クレアチンの重要性は、決して筋肉内のエネルギーのバッファリングと運搬だけにとどまりません。過去20年に渡り、研究者たちはクレアチンが筋肉だけでなくその他の種類の組織や細胞において別の重要な役割を果たしていることを発見しています。

例えば、クレアチンは細胞内のADP量が上がりすぎるのを防ぎ、ADPとATPの割合を調整していると考えられています。これは、細胞内の「発電所」であるミトコンドリア内の有酸素エネルギー生成に重要で、確かに細胞エネルギーの代謝におけるクレアチンの最重要機能の一つかもしれません。クレアチンはミトコンドリアから細胞内液にエネルギーを送る役割も果たしています。このプロセスは驚くほど複雑で、数種類のクレアチンキナーゼ酵素の存在に依存します。

クレアチンは、酸素ラジカルによる細胞のダメージを抑える抗酸化剤として機能することが知られています。さらにクレアチンは、細胞のpH(酸性度)を緩衝するのに役立ちます。これは、細胞内液が酸性化しやすい激しい運動中には最も重要でしょう。また、解糖を含む様々な有酸素および無酸素エネルギー源のバランスを整えて細胞が使用できるようにする役割にも関与しています。

基礎研究の結果、多くの著名な研究者たちは、特に高齢者の間で、クレアチンが筋肉、骨、脳、その他の神経系において、全般的な健康維持に重要であると考える傾向にあります。

クレアチンは確かに健康に欠かせません。事実、生まれつき体内でクレアチンを生成または使用できない子どもたちは、重大な精神障害、身体障害を持っています。

クレアチンは、多くの筋肉の病にも有効であることが臨床的に証明されています。本質的な治療法ではありませんが、例えば筋ジストロフィーなどの補助的治療法として、発症と進行を抑えることができます。現在、パーキンソン病とアルツハイマー病、多発性硬化症(MS)、ALSなどの治療法として、クレアチンの長期的な臨床試験が行われています。

クレアチン・モノハイドレート、塩、混合物

サプリメントとして使用するクレアチンは、いくつかの化学形態で流通しています。基本的なクレアチン分子はどれも同じようになっていますが、それに付着する化学基は様々です。

人体に存在する自然な「標準」形のクレアチンは、クレアチン・モノハイドレートです。この形のクレアチンはサプリメントとして広く使われており、研究者によって最も広く研究されてきた、そして今も研究されている形です。

パウダー状のクレアチン・モノハイドレートは、保管中も安定しており、効果的かつ安全で、体に容易に吸収されます。世界中の規制当局によって一般に認識されているクレアチンの形です。 例えば、欧州食品安全機関のクレアチンに対する意見は、特にクレアチン・モノハイドレートについて言及するものです。

クレアチン・モノハイドレートは水やその他の飲み物に溶けにくいため、クレアチンクエン酸などの溶けやすい形態を好む人もいます。

こうした溶けやすい形態のクレアチンは、対重量比で、クレアチン・モノハイドレートよりもクレアチン含有量が劣ります。例えば、クレアチン・モノハイドレートは重量の88%が純粋なクレアチンですが、他の形態のクレアチン含有量は40%まで落ちる場合があります。

「アルカリ性クレアチン」は、胃酸の中でクレアチン・モノハイドレートよりも高い安定性を示すと主張されている、別の形態のクレアチンです。最新の研究によると、アルカリ性クレアチンの効果はクレアチン・モノハイドレートと変わらないことが示されています。

他の形のクレアチン

クレアチン・モノハイドレートと溶解性を向上させた関連形態とは違う、別の形のクレアチンサプリメントも出回っています。これらの形態はクレアチン・モノハイドレートほど研究されておらず、多くの国では法的に承認されていません。これらは通常、モノハイドレートよりも高価です。

新しい形態のクレアチンがクレアチン・モノハイドレートよりも効果が高いことを裏付ける科学的証拠は、いかなる形であれほとんどありません。異なる方法で作用したり、ときには未知の方法で作用したりするように、核となるクレアチンの分子が改変されているため、クレアチン・モノハイドレートほど効果的でないものもあります。

例えば、溶解性のあるクレアチン塩がイオン結合であるのに対し、クレアチンエチルエステル塩酸(CEE)は、クレアチン分子が共有結合によりつながっています。クレアチン・モノハイドレートは体に効率的に吸収されることがわかっていますが、CEEは胃と腸ですぐにクレアチニンに分解されることを示す、十分な科学的証拠があります。

クレアチン・モノハイドレートの安定性

クレアチン・モノハイドレートは、乾燥したパウダー状で何年間も安定性を失いません。液体に混ぜるとゆっくりクレアチニンに分解され、生理学的効果はなくなりますが、害はありません。

クレアチン・モノハイドレートはオレンジジュースのような弱酸性の液体に混ぜると、8時間後に5%未満の劣化を示すため、飲み物に混ぜる場合は、同日中に消費すれば大丈夫です。ミルクやヨーグルトドリンクのようなアルカリ性の液体では、冷蔵庫の中で2週間、大きく劣化することなく保存できます。

時にクレアチン・モノハイドレートは胃酸ですぐに壊れるとうわさされることもあります。これは事実ではありません。クレアチン・モノハイドレートをサプリメントメントとして摂取した場合、95%以上が影響なく胃を通過し、血中に取り込まれることが研究により確認されています。そしてそこからクレアチンは、筋肉、心臓、脳などの臓器にそのまま到達します。

クレアチンの潜在的な副作用と安全性

クレアチン・モノハイドレートは栄養補助食品として安全に摂取できます。認可医薬品に比べ、栄養補助食品にはより厳格な安全規則が課されています。そのため、欧州食品安全機関によるクレアチニンの承認は、化学的に純粋なクレアチン・モノハイドレートの推奨量の服用は安全であるという、圧倒的な科学的立場を反映しています。

クレアチンサプリの副作用として唯一記録されているのは、わずかな体重の増加です。最初の体重増は、筋肉中の水分量の増加によるもので、その後の体重増は、実際の筋肉量の増加によるものです。もちろんこれはアスリートにとって一般に歓迎されることです。

時に、クレアチンは腎臓に悪いといううわさも聞かれますが、科学的に理にかなった証拠はありません。代謝のセクションで説明されているとおり、クレアチン量の増加は必ずしも腎不全のサインではなく、体は余分なクレアチンを排出しているだけかもしれません。

インターネット上では、クレアチンを使用すると胃もたれや胃けいれんをおこす人もいるとほのめかす話もあります。科学的比較試験では、化学的に純粋なクレアチンを推奨量だけ十分な水分と共に摂取した場合に、こうした副作用を再現できていません。

クレアチンに関する科学研究の圧倒的多数はクレアチン・モノハイドレートに関するものです。他の形態のクレアチンの研究量はこれには遠く及びません。

栄養補助食品として、クレアチンに汚染物質が含まれないことが重要です。評判のよいメーカーのクレアチンのみをご使用ください。

クレアチンの摂取量

クレアチンは生命に欠かせない物質ですが、研究者は、健康であり続けるために体内にどれくらいの量のクレアチンが必要か、まだはっきりとした量を割り出せていません。必要量はおそらく人それぞれでしょう。例えば、厳しいトレーニングをして食事量が少ない人は、ほどほどに体を動かして肉をたくさん食べている人よりも多くのクレアチンが必要かもしれません。

クレアチン・モノハイドレートを栄養補助食品として摂取すると、体内のクレアチン量が上がることがわかっています。適切な量のクレアチンの補給には実証済みの利点が確かにあるのです。

欧州食品安全機関は、一日3グラムのクレアチン・モノハイドレートの摂取は安全と言っています。
アメリカでは、専門家パネルが一日5グラム以下の摂取なら消費者にリスクを与えないと結論付けました。

アルツケムAG社では、毎日3~5グラムの純粋なクレアチン・モノハイドレートの服用をおすすめしています。

インターネットを見ると、推奨量の1日3〜5グラムより多くのクレアチン摂取を勧める人もいることがすぐにわかります。最初の数日間は多く摂取して、その後、量を減らす人もいるかもしれません。

しかしながら、高用量摂取の必要はありません。研究では、一日3〜5グラムの摂取を3〜4週間続けた場合と、高用量摂取した場合の体内のクレアチン量は同じであることが示されています。

クレアチンの摂り方

クレアチン・モノハイドレートは、フルーツジュース、牛乳、お茶、水などのドリンクに混ぜて摂取することも、パウダー、バー、カプセル、タブレットなどの形態で摂取することもできます。十分な水分を確保するために、必ず多量の水分と共に服用してください。飲む前にパウダーを完全に溶かす必要はありません。クレアチンは胃に入るとすぐに分解されるので、液体中に粒子が浮かんでいても問題はありません。

カフェインはクレアチンの効果を下げるようですので、クレアチンとカフェインを同時に摂取しないでください。どちらの物質もすばやく代謝されるので、クレアチンとカフェインの間に1〜2時間の間隔を置けばよいでしょう。クレアチンを炭水化物やプロテインと共に摂取すると、筋肉に取り込まれるクレアチンの量が増加するシナジー効果の証拠もいくつかあります。アスリートの大半は、トレーニング前の1時間以内、または運動直後にクレアチンを摂取することを好んでいるようです。 トレーニング補助として使用していない場合は、摂取のタイミングは重要ではありません。